インボイスとは、海外へ貨物を発送する時に、輸出者が輸入者に向けて作成する送り状のことで、請求書や明細書の性格を備えています。
日本の輸出通関の際にも相手国の輸入通関の際にも、税関に提出することが義務となっている書類ですので、その作成には不備のないよう細心の注意が必要とされます。
インボイス作成の仕事は貿易事務の基本的な業務で、未経験者が最初に任せられる仕事でもあります。
派遣会社での貿易関連求人の中には、インボイス作成が業務に含まれている求人が多いので、すでにインボイスの作成経験がある人には、雇用先の選択肢が広がります。
貿易業界で使用されるインボイスには、シッピングインボイス、コマーシャルインボイス、カスタムズインボイス、プロフォーマインボイスなどの種類があります。
シッピングインボイスとは、船便、航空便などで貨物を発送する際に必要となるもので、貨物の代金以外に船積の経費を別途請求する際に用いられます。
コマーシャルインボイスとは、売り手が買い手に対して代金を請求する際に、商品の明細、単価、合計金額、船積予定などを明記するのに用いられます。コマーシャルという形容詞がつくのは、税金が発生するためです。
カスタムズインボイスとは、輸出通関の際に用いられる税関用の明細書です。
輸出の申告を目的とする書類であり、税関に対して代金を請求するわけではありません。船積の予定などは、暫定的な記入でよい場合もあります。
プロフォーマインボイスとは、見積書と同じ役割を果たすインボイスのことで、輸出先の相手国が事前に輸入許可を必要とする場合、売り手は買い手に事前にプロフォーマインボイスを送って、相手国の政府から許可を受けます。
特に途上国向けの輸出で必要となることの多いインボイスです。
このように、インボイスには種類が多く、何をどんな時に用意すればいいのかを理解する必要があります。
また、その作成には専門の知識が必要であり、外国との取引ですので英語は欠かせないスキルとなります。
貿易業界では英語が公用語になっているので、たとえ英語を母国語としない国相手の取引であっても、インボイスは英語で記入されます。
貿易事務の経験がない場合でも、英文の入力スピードが優れている人なら、多くの職場で歓迎されます。
派遣会社に依頼があるインボイス作成が業務の一部となる求人の多くは、経験者なら時給1600〜1700円以上が約束される、好条件の案件となります。
未経験者でも紹介してもらえる求人はありますが、その場合、時給は一般事務職と同程度からのスタートとなることが一般的です。