派遣で働くことは、たとえ今まで無職であったとしても、何らかのアピールできる部分があれば可能です。
派遣社員は、専門性の高い職種について、また仕事の増減が年度内で一定しない職種について、専門家が正社員のできない仕事を請け負う形で取り組むというのが本来の姿です。
ただ、近年の不況で大量の失業者が出ている実態があり、派遣会社としても、こういった人たちを雇用することに積極的です。
また、いわゆるニートと呼ばれる人たちにも門戸を開いている会社も数多くあります。
ワードやエクセルをある程度扱えれば、それだけで事情を汲んで採用に至ることも少なくありません。
派遣会社に登録する際には、自分の経歴を正しく紹介して、何ができるか、責任感を持って業務をこなせるかをきちんとアピールする必要があります。
また、ほとんどの派遣会社は、webサイト・ホームページを開設しており、ここで事前の仮登録をして、その後のスキルチェックを経て本登録をします。
この時、履歴書や職務経歴書などを提出するとともに、本人確認の身分証明書の提出も必要になります。
身分証明書として代表的なものは免許証です。自動車免許でなくても構いません。
原付免許でも身分証明には充分です。また、パスポートも身分証明書として有効なもののひとつです。
普通はこの2つのうちどちらかになります。国民健康保険等の健康保険証も身分証明になる場合があります。
ただ、このどれも所有していないケースがあります。今は自動車免許を持っていない若い人が増えています。
またパスポートもなく、前職の会社を辞めて以来、国民保険にも加入していないことが多いと、派遣会社の担当者から報告されています。
こういった場合には、たとえば住民票で構いません。この住民票も取得できないことがありますが、この場合は住民票記載事項証明というものを取得できます。
住民票そのものでなく、記載してあることを証明するものです。
これを身分証明書の代替にできます。
また、住基カードでも通るケースもあります。
また、年金手帳でも本人証明となります。
さらに、こういったすべてを用意できないというケースもまれにあります。
そもそも、住民票も自治体によっては身分証明書が必要となることが多く、保険証やパスポートなどがなければ取得できない場合があります。
さらに年金手帳を交付してもらっていないというケースですが、近年の若い方にはこういった人も増えています。
最終手段は公共料金の請求書です。
この人物が確かにこの住所に存在するという公的機関から発行された証明として使うことができます。
いずれの場合も、派遣会社に確認し相談しましょう。
一般的に身分証明書として使えるものの一例
下記の物は単独で身分証明として使えます。
・有効期間中の日本国パスポート
・運転免許証
・顔写真付き住民基本台帳カード
・無線従事者免許証
・認定電気工事従事者認定証
・特種電気工事資格者認定証
下記の物はA群とB群の各々1種ずつ、計2種で身分証明と認められます。
A群
・健康保険被保険者証
・国民健康保険証被保険者証
・国民年金手帳(証書)
・厚生年金手帳(証書)
・共済年金手帳(証書)
B群
会社の身分証明書(写真の貼ってあるもの)
・写真付き学生証
・写真付き公的機関発行の資格証明書
・公的機関発行の納税証明書、課税証明書
・源泉徴収票
・雇用保険被保険者証
以上のものは一例で、他にも身分証明と使えるものがあります。
派遣の登録には免許証が必要?
派遣会社に登録するには、Webなどで仮登録を行って、その後スキルチェックとともに履歴書や職務経歴書の提出、そして面接を経て本登録となります。
この際に応募者の身元確認のため本人確認書類として免許証などの身分証明書の提示を求められます。
免許証は、顔写真付きの公文書で本人確認が容易であり、公安委員会や警察庁の管理を受ける国家資格であることから、日本では最も一般的な身分証明書として利用されています。
会社によっては、提示した免許証のコピーを取られる場合があります。
免許証は小型で情報量も多くありませんが、個人情報であることには変わりないため、コピーを取られることに個人情報管理といった面で違和感を覚える人も少なくありません。
こうした場合には、事前確認の上、たとえば住民票や住基カードでもよいかどうか確認するといいでしょう。
ただし、免許証のコピーの持参は避けた方が無難です。本人確認はあくまでも「原本」によって行うのが基本だからです。
免許証は、普通自動車が一般的ですが、原付免許でも構いません。免許証であって、顔写真のついた公文書であれば問題はありません。
原付免許は大抵1日のテストと、1万円以下の費用で取得できるため、退職から派遣会社の登録までに時間の猶予がある場合には取得しておくといいでしょう。
女性でも簡単に取れます。免許証以外で身分を証明するには、パスポートや住民票の提出ということになります。
住民票は市町村によっては、発行するのに身分証明書が必要になるケースもあります。
この場合も免許証と同じく、コピー提出ではなく原本を提出する必要があります。
派遣会社にも企業に対し責任があり、「この人は確かにこの住所に住んでいる」ことを確認して、その上で派遣先の仕事を請け負ってもらう必要があります。
多くの場合は、履歴書の住所や名前と照合するだけで終わります。
免許証もパスポートもなく、住民票の発行も難しい場合は、何かしら公的機関による住所と名前の入った書類が必要になります。
代表的なのは健康保険証です。
健康保険証も、氏名や住所、生年月日が記載されており、公的な身分証明書として広く一般に活用されています。
ただし、会社を退職して保険証を返却しており、手元に国民健康保険証が届いていない状態で、国民健康保険に切り替えていない場合もあります。
こうした時には、派遣会社に説明し相談の上、たとえば電気や電話、ガスなどの公共料金の請求書などでも可能な場合があります。
この際には、後に国民健康保険に切り替えてから提出して、確認してもらうようにしましょう。
派遣に登録するには年金手帳が必要
派遣社員は、働き方を自分の都合で決めることができ、仕事内容は自分の希望通りのものに、ピンポイントで集中することができる環境が整っていますが、正社員に比較して、他の待遇面で不利なのではないかという考え方のある人がまだたくさんいます。
正社員ほど会社に縛られていない代わりに不利益を被っているという誤解です。
たとえば、健康保険ですが、派遣会社ごとに、また「はけんけんぽ」という制度もあります。
また、年金についても一定の条件を満たしていれば、厚生年金に加入できます。
多くの派遣会社では、たくさんの人が派遣で働ける環境を整えるために、健康保険と厚生年金に加入できるようになっています。
ただし、一定の加入要件を課している場合が多く、たとえば、1週間の所定労働時間が30時間以上で、2ヶ月を超える契約期間があれば加入対象となるとしている派遣会社があります。また、雇用保険にも加入できます。
参考⇒派遣社員も条件次第で社会保険など各種保険への加入義務がある
加入にあたっては、雇用保険被保険者証とともに、年金手帳を提出する必要があります。
派遣会社への登録では、この雇用保険被保険者証と年金手帳、基礎年金番号通知書を3点セットと呼んでおり、社会保険加入に関する同意書に必要事項を記入して提出することで、厚生年金に加入することになります。
派遣会社に登録する人には、さまざまな理由を抱えている人が少なくありません。
たとえば、何とかして仕事がほしいために、職歴に多少のアレンジを加えて良く見せようとする人がいます。
実際には文書偽装であり、嘘の内容を記載することは本来は許されないことですが、事実としてこのような人はたくさんいます。
雇用保険被保険者証や年金手帳を提出することで、前職の状況に偽りがあることがばれてしまうと悩む人が多いのは事実で、珍しいことではありません。
こういった場合には、年金手帳などの書類はコピーで構いません。
氏名と生年月日、基礎年金番号が派遣会社に分かれば問題はありません。
ただし、経歴詐称は発覚した時点で問題化することはわきまえておくべきで、勧められることではありません。
また、年金そのものを支払っていないことも、最近の若い人にはありがちです。年金手帳を持っていないため、提出できないという事態になります。
手帳がないということは、20歳のときに手続きをしていないということです。
手続きをしてあれば、日本年金機構から「ねんきん定期便」が届くはずですが、最初の手続きをしていなければ、これも届きません。
こうした場合には、住所のある自治体で今まで年金手帳がないと申告すれば発行してもらえます。
派遣と年金
派遣社員も条件を満たせば厚生年金への加入資格を得られます。
派遣契約終了などでお仕事を終えたとき、次の派遣先が決まっていない場合は国民年金の手続きが必要になります。
しかし、1ヶ月以内に同じ派遣会社で次の派遣先が決まっている場合は厚生年金に継続加入としてもらえる派遣会社もあります。
年金への加入などは法律に基づき行っていますが、派遣契約満了時の対応は派遣会社によって違いがあるようです。
派遣で登録しても保険証はもらえます
派遣会社で働く人は年々増えつつあります。自分の希望の職種にピンポイントで就けることや、余計な雑務に時間が取られることもなく、また時間通りに始めて時間通りに終わって帰社できるという利点があります。
派遣社員を希望する人が疑問に思う代表的なものに、保険証はどうなるのかということがあります。
これについても、現在は多くの派遣会社が派遣社員を対象とした健康保険組合の制度を利用しており、これに加入することができます。
派遣会社に登録することで加入できる健康保険制度は、「はけんけんぽ」と呼ばれており、多数の派遣会社が加盟する組合から発布されます。
通常は会社を辞めると同時に、働いていた会社の社会保険からも外されます。
派遣社員では、契約期間の終了と同時に、派遣元の会社との雇用契約も終わります。
しかし、はけんけんぽは、加入していれば派遣期間が終わって次の職場に派遣されるまでに期間が空いても、引き続き被保険者にとどまることができるという強みがあります。
仕事のない期間でも健康保険を利用することができます。条件としては、同一の派遣会社に登録していること、また派遣先との契約終了から次の派遣先との契約が確実に見込まれていること、そして次の派遣勤務先の就業日が1ヶ月以内であることです。
待機期間中も、保険料の引き続き納めている必要があります。
はけんけんぽでは、通常の会社から支給される健康保険と同じく、医療費や入院費の補助を受けられ、医療は3割負担で済みます。
また傷病手当金や出産育児一時金、出産手当金などの補助を受けられます。
また、派遣会社が無料で行う健康診断以外に、健診や検査を年度に1回受けることができます。正社員と待遇はほぼ変わりません。
はけんけんぽは、別の派遣会社に移った場合は、いったん被保険者の資格を喪失し、次の派遣会社で新たに加入することになります。
また、派遣会社が独自に健康保険組合を設置していることがあり、その場合はその派遣会社の健康保険に加入することになります。
はけんけんぽは、派遣社員のための健康保険で、派遣で働く人の事情を考慮して設計された制度です。
たとえば、継続して2ヶ月以上被保険者であった場合は、派遣終了後も、申請があれば任意継続という形で一定期間継続できます。
この時、任意継続した月と翌月の2ヶ月は保険料の上限を9150円に引き下げてくれます。
新しい仕事を探していて収入のない期間の負担を軽くしてくれる制度です。
はけんけんぽの加入条件
雇用契約期間が2ヵ月を超える場合に雇用契約の初日から加入となります。
その際、勤務日数と時間がおおむね4分の3以上である必要があります。
初めの雇用契約が2ヶ月以内の場合、契約更新され2ヶ月を超えたとき契約更新初日から被保険者となります。
更新されない場合は残念ながら被保険者になれません。