派遣社員として働くには、まず派遣会社に登録する必要があります。
やりたい職業に強い派遣会社を選び、待遇などについて調べた上で、自分に合った会社に書類を提出して、面接などを経て登録に至ります。
提出する書類として主なものが履歴書と職務経歴書です。これは自分自身を売り込むための必須のツールであり、読み手の立場に立って、見やすい履歴書を丁寧に作成していきましょう。
市販の履歴書には、新卒用と転職者用、アルバイト用などの主に3種類があります。新卒者用の履歴書には、社会経験のない分のアピール材料として得意な学科を記入する欄があり、また転職者用には職歴や志望動機などの欄が広めに設けられています。
既婚者であれば家族欄のあるものを選ぶなど、多彩な項目がある中から自分に向いた書類を選びましょう。
また、近年では市販のものだけでなく、インターネットでダウンロードして使えるものがあります。
会社によっては、手書きでなくても良いケースもあり、こうした場合にはダウンロード版の方が便利でしょう。手書きの履歴書で提出する場合には、字のうまい下手ではなく、丁寧に書かれていることが大切です。
たとえ字があまりうまくなくても、丁寧に書いてあれば問題はありません。書類を見る人事担当者は、採用のプロです。
履歴書を雑に書く人は仕事も雑なのではないかと思われます。
記入で注意したいのは、日付です。日付は履歴書の記入日ではなく、提出する日付を記入するのが基本です。
派遣会社の採用では、面接日に履歴書持参というケースも多くあります。
この時、面接する日が提出する日ですので、確認しておきましょう。
郵送の場合には、郵送する日を記入します。証明写真はカラーが基本です。
また、街角にある機械のスピード写真ではなく、写真館で撮ったものの方が印象がよくなります。はがれた時に分からなくならないよう、写真の裏に氏名を書いて貼り付けましょう。
学歴については、小中学校は卒業年度のみで、高校から入学と卒業年度を記入するのが基本です。学校名は省略せず、私立・市立・県立などをつけて、高校は高等学校と正式な名称を使うようにしましょう。
職歴のある人は、最終学歴の下に1行あけて、次の行の中央に職歴と記入しておきます。
派遣会社での職歴がある場合は、会社名・配属部署名を記入し、派遣社員として就業し、契約期間満了に伴う退職であることを明記します。
また、応募する職種に関連するパートやアルバイト経験がある時は、忘れずに記入するよう心がけましょう。
派遣の登録で出す履歴書の志望動機欄に何を書くの?
派遣会社に登録するにあたっては、履歴書を用意して郵送するなり、もしくは面接の際に持参する必要があります。
氏名や学歴、職歴などを記入し、希望する職種にかかわる資格や特技、またアルバイト経験などがある場合には、それを明記して自分にはこの職種をこなせるスキルがあることをアピールする必要があります。
派遣社員は基本的に専門家、スペシャリストであり、特定の職種についての能力がある人を登録して、ピンポイントで企業に派遣するシステムです。
社会人としての基礎は身に付けておく必要はありますが、余計な雑務をする必要はなく、あくまで時間内に求められる作業をこなせるスキルがあることがアピールできれば、登録にあたって問題はありません。
履歴書を書くにあたって悩ましいのが、志望動機の欄です。
希望の職種があり、それに対する適性やスキルがあるから派遣に登録したいのであって、それ以外に志望動機が思い当たらないということは多くあります。
実際に派遣社員として働いている人たちの口コミ情報によると、正社員の採用面接などと違って、派遣の登録の時には志望動機は重視されないとされています。
派遣会社の採用で重視されるのは、志望者が派遣先に安心して紹介できるかどうかということで、派遣先の要望するレベルのスキルを持っているかどうか、契約期間をきちんと勤め上げてくれるか、などを判断材料とします。
そのため、最も重視するのは職歴および資格の欄で、志望動機について面接で訊かれることはほとんどないと言われています。
スキルの確認では、取得資格や経験職種とその年数、前職からのブランク期間などが注目されます。
また前職の離職理由として自分の都合だけで辞めていないかどうかを重視します。
口コミ情報では、登録の際に志望動機を空欄のまま提出しても問題ないと言う人もいます。
ただ、空欄のままでは、責任感や社会人としての常識に欠けると心配になるのも当然です。
この場合には、自分が働きやすい職種に集中したい、また希望職種について自信があり、誠実に勤務することをアピールする程度で構わないと言われています。
また、仕事をするのが好きだから志望したとか、将来のためにお金を貯めたいなどの志望理由を書くようにしているという口コミ情報もあります。
派遣で問われるのは自分のスキルであり、職種への適性です。
志望動機についてあれこれ悩むことなく、自身をマイナスに見せない程度に簡単にまとめましょう。
インターネットを検索すると、志望動機の書き方や例文集をまとめたホームページが見つかります。
そういったサイトでは志望動機を書く上での注意点などが載っていますので活用するのも良いでしょう。
サイトによっては広告会社向けや保険会社向けと言った特定業種の例文が載っていることもあります。
ただし、例文をそのまま使うなどはしない方が良いです。
大きなマイナスとなってしまいます。
派遣会社に登録する時には職務経歴書が大切!
派遣会社に登録する際に重要な書類が職歴を記載する職務経歴書です。
派遣は元々、専門家を要するような専門性の高い職種について、正社員ではできない業務をもっぱら受け持ってもらうためのシステムです。
そのため、職務経歴書で、自分はその職務をまっとうするスキルを持っていることや、経験のあることなどをアピールする必要があります。
派遣社員の武器である、今まで培ってきた実績や経験・スキル、希望職種への適性・能力をしっかりとアピールし、いい条件で働ける環境を整えていきましょう。
職務経歴書には、時系列で書くスタイルのものと、職務内容を主に書くスタイルのものがあります。
事務系では時系列方式が向いており、エンジニア系などの専門的職種では職務内容方式が向いていると言われています。
時系列書式は、経験した仕事を古い順に記載し、職務内容書式では、経験や技術力を記載していくことになります。
履歴書と違い、職務経歴書には決まった用紙やフォーム、テンプレートがあるわけではありませんが、普通はA4サイズの用紙に横書きで書き、通常1枚、最大でも2枚に収めます。
あまり長く書くのは、良い印象を与えません。
基本的にはパソコンで作成することが多く、近年では、エクセルなどを使って見やすく仕上げたものが多いと言われています。
手書きよりも見やすいため、パソコンで作成した方が好まれます。
履歴書はある程度何を書くのか決まっていますが、職務経歴書は特に決まったスタイルはありません。
逆に、この書類作成も、スキルやセンスをアピールできるチャンスと考えられます。インターネットで検索すると職務経歴書のサンプルやテンプレートがダウンロード出来ますので、それを参考に見やすくバランスのよい職務経歴書を書
くことが出来るとそれだけでアピール材料になります。
分かりやすく見やすい書類を作成できるということは、派遣で働く者にとってスキルのひとつです。
職務内容として求められるものは、いつ・どこで・何をしたのかということです。
仕事内容を簡潔に分かりやすく書きましょう。会社名は省略せず、部署や部門、チームなどの所属を明確に記載します。
また、「私は」といった主語は必要ありません。
簡潔に「~株式会社の~部において~の業務に従事」など簡潔に記述していきます。
また、業務で使用したOSやソフトの名前も具体的に記すことが必要と言われています。
Excelで在庫管理をしたなら、Excelで管理したことを明記し、パワーポイントで会議の書類を作成したなら、そのことをはっきり記す方が有利です。
また、取得した免許や資格がある場合、それらは漏らさずに書きましょう。
たとえ事務職であっても、運転免許を持っていたら記載しておく方が有利です
派遣会社への登録で経歴詐称したらどうなる?
派遣会社に登録して派遣社員として働くには、履歴書や職務経歴書を提出して、面談で希望条件と職歴とをすり合わせした後に本登録する必要があります。
履歴書や職務経歴書は自分自身を宣伝する広告のようなもので、どのような知識や経験、スキルがあるか、仕事に対する意欲などをここから推しはかっていくことになります。
登録する側からすると、自分を売り込むための資料となるため、力の入る部分でもあります。
こういった書類では、嘘偽りのないよう書くというのが社会人としての基本です。仕事が欲しいからといって、経歴詐称するのは禁物です。
資格・職歴などを偽って経歴詐称して、採用後に発覚した場合には、懲戒や解雇処分になることがあり、これは法律的にも認められている企業の権利です。
詐称した側に文句を言う権利は一切ありません。経歴詐称は、犯罪行為として立件することもできます。
大学を中退したのに卒業と詐称したり、過去の職歴や勤続年数、役職などを詐称したりした場合は、すべて労働契約法違反です。
また、業務上重要な要件でない部分で経歴を詐称した場合にも、それだけで解雇の理由になる可能性があります。
経歴詐称は軽微なものであっても解雇理由となりますので、履歴書や職務経歴書は嘘偽りなく書くようにしましょう。
実際に、派遣会社への登録で自分をよく見せて見栄えのいい履歴書を作るために、経歴をごまかしてしまうことは珍しいことではありません。
退職年月日を改ざんして職歴に空白期間がないように加入期間を細工して見せかけたり、契約社員や派遣社員などの非正規社員であったのに正社員と偽ったり、早期退職した前職の経歴を書かなかったりするケースは多いと言われています。
また、英語力が必要な職種を希望する際に、会社側にTOEICの点数を実際よりも高めに申告して記入するなど、採用企業の社員からの心証をよくしようとして軽い気持ちで詐称を行うことは、よく見受けられるケースです。
派遣会社の採用担当者によると、登録に来た人の経歴や職歴調査をすることはほとんどありません。
派遣先からすると、期待通りに働いてくれたらそれでいいことになりますから、経歴はあまり重要ではないということになります。
仕事ができるかどうか、求めるスキルがあるかどうかが問題であって、極端に言うと派遣社員に関しては経歴詐称していても、仕事ができれば問題ないとされています。
ネット上では経歴を偽っても全然ばれることはないと豪語している人もいます。
もちろん、できると言った仕事をこなせなければ経歴詐称は簡単にばれることになります。
そうでなければ問題はないことになっていますが、実際には犯罪行為であり、充分な解雇理由となるため、経歴詐称はしないようにしましょう。